生まれて初めてのF1観戦 in 鈴鹿 テレビでは伝わらない真実編

F1日本グランプリ2017 西コーストラックウォーク 最終コーナー
なんとブレンドン・ハートレーがトロ・ロッソでアメリカGPに出場。おめでとう!良かったね。

ピエール・ガスリーがチャンピオンの懸かったスーパーフォーミュラー最終戦を優先させるため、1戦限りの代役のようですが、頑張って欲しいです。ハートレーは弱冠19歳でレッドブルのリザーブドライバーを務めていたのですが、アルグエルスアリやリカルドとの競争に負けた感じでレッドブルを解雇されています。その後の世界耐久選手権(WEC)におけるポルシェワークスチームでの活躍は記憶に新しいところ。

ブロンド長髪で流行りの中性的なイケメンはF1に行ったら、必ず人気が出るだろうと応援していたのですが、紆余曲折の末、まさかの27歳でF1デビュー。来年はインディカーの強豪チップ・ガナッシでインディカー版アイスマンことスコット・ディクソンのチームメイトになる予定でしたが、こうなったら、一攫千金のチャンスを掴んで来年はガスリーと一緒にトロ・ロッソ・ホンダで大暴れして欲しいなぁ。

ガナッシさん、ハートレーの代わりにフェリックス・ローゼンクビストあたりはどうでしょう?彼はマカオも連勝してるし、佐藤琢磨やコンウェイの活躍を見れば、マカオウィナーはインディカーの適正があると思うのですが…前置きが長くなりましたが、今回は生まれて初めてのF1観戦 in 鈴鹿の続きです。



意外と空いてる日本グランプリ

前回は30年の沈黙を破って現地観戦を思い立った経緯について書きましたが、今回は実際に現地観戦してみて感じたことを書きたいと思います。


金曜日、土曜日の不安定な天気から一転、日曜日は夏が戻ってきたかのような素晴らしい快晴。まさに天高く馬肥ゆる秋。ご存知の通り、跳ね馬は肥え過ぎたのか、跳ねることなく終わりましたが…

神戸を朝の6時前に出発して、急行を乗り継ぎ、サーキット最寄りの白子駅に着いたのは9時前、案内に従い、サーキット行きのバス乗り場に向かいます。待ち時間もなく、スムーズに乗車。15分ほどでサーキットに到着。なんかスムーズ過ぎて拍子抜け(笑)
F1日本グランプリ2017 白子駅の臨時バス乗り場
臨時バス乗り場からサーキット入口までは10分ぐらい歩くのですが、駐車場入口ゲート前にはドライバーの出勤を待つファンが宝塚歌劇場の出待ちの如く列をつくっていました。
僕と同世代のおじさん、おばさんが多かったのですが、すごい熱量でしたね。みんな、ご贔屓チームのシャツ着てるし、横断幕に旗やボードなどの応援グッズも手作りで用意してるし、普段着でフラっとやって来た僕なんかはオタクを名乗るのはもう30年早い気がしました(笑)

サーキットに入ると否が応でも気分が高まってきます…が、なんか空いてね?
世界最高峰のレースだから、混雑を予想していたのですが、他のレースに比べて少し人が多いぐらいの感じ。ここでも拍子抜け。
F1日本グランプリ2017 フェラーリPRのお姉さん
写真で見るとこんな感じ。お昼ぐらいになると少しずつ人は増えてきましたけど、想像していたよりはずっと少ない。トイレも売店も空いていて快適なんだけど、なんか物足りないですね。やっぱり人気落ちてるのかも。中途半端に写り込んでいるのは出勤途中のフェラーリチーム広報のお姉様方。


レースまでの時間つぶしはGPスクエアで

決勝レースが始まるまで時間があるのでGPスクエア周辺を散策。
各チームのショップを覗いてみたものの普段使いできるようなものはあまりないのでスルー。レッドブルのキャップで1つ良さそうなのがあったけど、後ろにデカデカと「翼をさずける」の刺繍があってダサかったので、これもスルー。値段も6,000円って高っ!

グッズを買うなら、グランドスタンドから最終コーナーへ向かう坂を上がった途中に並んでいる外国人のおっさんが店長のお店がオススメです。たぶん昨年のモデルだと思うけど、ウィリアムズのHACKETT LONDON製のブルゾンが2,000〜3,000円で、ライコネンのSantanderロゴのキャップが2,000円で販売されていました。ウィリアムズのブルゾンはマルティニカラーでカッコよかったんだけど、やっぱり普段着るにはキツいので、ぐっと我慢。

次は今年40周年を迎えるウィリアムズの特別展示へ。
F1日本グランプリ2017 ウィリアムズFW06とFW11
奥の写真はすごい4ショットですね。1986年に撮られたものでしょうか。この頃のF1は今みたいに燃費がとか、タイヤのデグラデーションがとか関係なく、ガチガチのガチンコでやってた頃ですよね。古き良き時代。
F1日本グランプリ2017 ウィリアムズFW11
ウィリアムズFW11。この時代のF1マシンはシンプルでカッコいいですね。大好きなFW14Bとかも見たかったけど、HONDAエンジン搭載車が優先された感じでしょうか。
F1日本グランプリ2017 シビック TYPE R
フルモデルチェンジしたシビック TYPE Rが3台も展示されていたので、しばし観察。
なんで今更シビックなの?という声もありますが、今回のシビックのデザインはカッコいいですよ。TYPE Rではない通常版もカッコいいです。セダンもカッコいいです。このTYPE Rは後部座席も意外と広く、トランクの広さも普段使いには十分。しかも、4ドアなのでパパ世代にも受け入れられそう。家族と乗る時はジェントルに、ひとりの時はアグレッシブに走るという使い分けができます。運転席に乗ろうと粘ったのですが、タイミングが掴めず、いつまでたっても乗れなかった…こういうところ鈍臭い(笑)
F1日本グランプリ2017 レッドブルバー
GPスクエアも満喫し、お昼前となったので、そろそろ席を確保するため、西エリアへ向かいます。西エリアまでは30分以上歩くみたいなので、レッドブルのバーでレッドブルテキーラ(600円)を飲んでパワーアップ。飲むとレッドブルの味しかしないけど、陽気なバーテンダーのお兄さんがたっぷりテキーラ入れてくれるので、テンション上げたい時はこれオススメです。


いざ西エリアへ!

レッドブル飲んでテンション上がったところで、お昼のお弁当をグランドスタンドの売店で調達し、西エリアに出発。みんなが言うほど、遠いとは思わなかったものの30分近くは歩くのでサーキットの広さを実感。スプーンカーブ1つ目のLスタンドあたりで見るつもりでしたが、すでにスペースが限られていたし、前日の雨の影響で地面がぬかるんでいたので、スプーンカーブ奥のNエリアに席を確保。マイシートからの視界はこんな感じ。
F1日本グランプリ2017 Nエリアからスプーンカーブを望む
これからF1レースが行われるとは思えない何とものどかな感じ。なぜかこのエリアは僕の世代かもう少し上の世代の男性おひとり様が多かったです。
F1日本グランプリ2017 Nエリアから西ストレートを望む
スプーン入り口から西ストレートの立ち上がりまでが見渡せます。F1マシンを見ることができる時間はサーキットの中でもそこそこ長い方ではないでしょうか。
F1日本グランプリ2017 赤ワインを飲みながらの観戦
レース開始までは持ち込んだ赤ワインでミックスナッツをつまみに一杯やります。
ビールやチューハイだと冷やしておくためのクーラーが必要だし、トイレも近くなるので、おひとり様のレース観戦には常温で飲めるこんな感じのペットボトルワインがオススメ。常温だと日本酒って手もありますが、F1と日本酒って似合わないでしょ。


そうこうするうちにインディ500ウィナー佐藤琢磨が駆るHonda RA300がやって来ました。この時代にF1で勝ってるHondaはやっぱり凄いなぁ。佐藤琢磨も凄いけど。
F1日本グランプリ2017 佐藤琢磨によるHonda RA300デモラン
続いてはドライバーズパレード。フェラーリの2人やハミルトンへの声援も大きかったのですが、一番声援が大きかったのはアロンソ。バンドーンやガスリーなど日本にゆかりのあるドライバーに大きな声援が飛んでいました。
F1日本グランプリ2017 ドライバーズパレード アロンソ
この日一番人気のアロンソは黄色のHondaに乗って登場。
F1日本グランプリ2017 ドライバーズパレード ハミルトン
ハミルトンはなぜか日傘を差してました。
F1日本グランプリ2017 ドライバーズパレード ベッテル
この時はこの後起こるだろう悪夢を想像だにしていないベッテル。
F1日本グランプリ2017 ドライバーズパレード ライコネン
意外とファンサービス旺盛なライコネン。
ちなみにデイモン・ヒルのFW11デモランはトイレに行っていて見逃した。

この後、レコノサンスラップで走るF1マシンを生まれて初めて生で見るのですが、唐突に現れたレッドブルのスプーンへの進入速度に度肝を抜かれました。先頭だったので恐らくフェルスタッペンだと思うのですが、あんな勢いで入ってきて、あんな勢いで減速する車は今まで見たことありません。マジでビビりました。いやぁ、久しぶりに鳥肌立っちゃいました。F1マシンが速いのは頭では理解しているのですが、コーナリングスピードがあんなに速いとは…次回はS字あたりで是非見てみたい。
F1日本グランプリ2017 Nエリアから見る決勝レース
レースが始まるとビジョンがないので、レース展開を追うのが大変です。情報源はピエールさんの場内実況のみ。途中からF1公式サイトのライブタイミングにアクセスして少しはマシになりましたが、周回遅れが出てくると状況の把握が難しいですね。ラジオはあった方がいいかな。


レース後のお楽しみ 西コース限定トラックウォーク

レース結果は御存知のとおり、我がフェラーリチームはフジテレビのコメンタリー陣にこてんぱんに言われるほどの不甲斐ない有様。ベッテルの走りを少ししか見れなかったのは残念でした。でも、近年は魅力がなくなったと言われるF1ですが、それでも僕の目に初めて映るF1はとても魅力的なものでした。

レース後は急いで帰っても混雑するので、西コース限定のトラックウォークに参加。ヘアピン先の200Rあたりからコースに入ります。コースに入れば、西コース内はどこに行こうと自由です。タイヤかすもたくさん落ちてるし、縁石にはブラックマークも残っています。実際のコースの高低差もよく分かるので、時間があれば、一度は参加することをオススメします。
F1日本グランプリ2017 西コーストラックウォーク 200R
まずは200Rからスプーンカーブへ。みんな思い思いに歩きます。
F1日本グランプリ2017 西コーストラックウォーク 200R
ロレックスの看板をくぐるだけなのになんか嬉しい。
F1日本グランプリ2017 西コーストラックウォーク 西ストレート
西ストレート入り口。この写真だと上の200Rとのが高低差がよく分かります。下りながらスプーンカーブを曲がって一気に加速。気持ちいいでしょうね。
F1日本グランプリ2017 西コーストラックウォーク デグナー
デグナーは実際に見ると結構鋭角です。
F1日本グランプリ2017 西コーストラックウォーク 逆バンク
逆バンクではライコネンが付けたと思われるブラックマークをみなさん熱心に撮影されていました。
F1日本グランプリ2017 西コーストラックウォーク 立体交差
立体交差からヘアピンを望みます。ヘアピンまでも結構上っていますね。
F1日本グランプリ2017 西コーストラックウォーク シケイン
幾多のドラマが生まれたシケイン。感慨深いものがあります。
F1日本グランプリ2017 西コーストラックウォーク 最終コーナー
最終コーナーからの風景。観覧車が見えるこの景色も鈴鹿らしいですね。
F1日本グランプリ2017 西コーストラックウォーク FIAの作業員
トラックウォーク中は並行してコース設置物の撤収作業が行われています。作業している人が外国人ばかりなので不思議だなぁと思っていたら、看板やイタリアントリコロールカラーのバリアカバーなどはすべてF1のためだけにFIAが設置しているんです。だから設置から現状回復までがFIAの仕事なんですね。これは知らなかった。
F1日本グランプリ2017 西コーストラックウォーク 逆バンク縁石の補修
逆バンク出口の縁石では欠けた部分をパテで埋めていました。これも恐らくライコネンの仕業。FIAの人たちは乾くのを待っていましたが、乾いたらペンキも塗るのでしょうか?


生まれて初めてF1を生で見て

今まで30年間ずっとF1を見てきて、いろんなことを知っているつもりでした。他のカテゴリーのレース会場には幾度となく足を運んでいるので、サーキットの雰囲気も分かっているつもりでした。でも、テレビでは伝わらないこと、実際に現地に行ってみないと分からないことってあるんですね。

年々、人気が凋落してきているF1ですが、鈴鹿に足を運んで生で観戦している人たちは本当に楽しそうでした。応援するチームのユニフォームを着ていない人の方が多いぐらい。ここに来ている人たちはただ単にレースを観に来ているだけではなく、サーキットの雰囲気を楽しみに来ている。ファンという立場でレースに参加するために来ているんだなと思いました。お祭りみたいな感覚でレースを楽しんでいるんだなと。

確かに3万円も払ってレースを観ようとは思わないけど、9,000円だったら、また来るかな。来年はお贔屓チームのキャップの1つでも被って、今年は叶わなかった金曜日と日曜日の2日間、天高く跳ね馬肥ゆる秋を楽しみたいと思います。


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